Creating Attachment
愛着を抱く
We need to find meaning in things. We value sentiment.
Need for Nostalgia
ノスタルジアの必要性
アナログ回帰によるルネッサンスは続いており、英国のカセットテープの販売台数は2020年上半期に倍増し、15年ぶりの高水準を記録しました。
BBC, 2020
デジタル化によって物理的な要素があまり重要ではなくなった現代において、人々は懐かしさから癒しを見つけています。
Vintage Tech Reworked
NINM lab IT'S OK cassette playerは、世界初のBluetooth搭載型のポータブルカセットプレーヤーであり、かつて一世を風靡したSONYのウォークマンを現代風にアレンジしています。キックスターターで発表された際には、目標額の6倍の投資を達成しました。
Photo Credit:NINM Lab, 2021
Kidcore
リサ・フランクは親しみやすいカラフルなキャラクターで人気を博すブランドです。
Photo Credit:Lisa Frank, 2021
Nostalgic Space
「スイングカラン」と「氷冷式サーバー」から注がれるビールの爽快さ。自家焙煎の珈琲の香り。アナログレコードの柔らかな音。レトロで上質な空間と時間を提供するノスタルジックバー&カフェ、デポ(Depot)は、街を行くビジネスマンの癒しの場です。
Photo Credit:Unsplash
Meaningful Experiences
意味のある体験
「Monthary」メッセージの検索率が145%増加しました。
Pinterest, 2020
コロナ禍によって実体験を得られる機会は激減しました。、世界の人々が再び動き始めたとき、人々は感動を得られるような 体験をより一層求めるでしょう。
Meaningful Multigenerational
旅行検索エンジンのWego.comでは、中国の成人した子供が高齢者の家族と一緒に旅行する傾向が高まっていることを紹介しています。これらの消費者は、年老いた両親でも快適に旅行できるように投資をする傾向が強いようです。
Photo Credit:Getty Images, 2021
Sentiment Supporters
人々は自分が好きなものに投資するようになっています。パンデミック以来営業を停止していた「コルシカ・スタジオ」は、限定イベントのチケットを抽選で販売し、営業を継続するための資金調達を開始しました。
Photo Credit:Unsplash, 2017
Local Cuisine
gochi荘は、「宿泊」と「地域の食にまつわる体験」をセットで提供しています。その土地らしい食文化を味わえるローカル宿。温かい笑顔で迎えてくれるホスト。特別な地域の食の体験。多くの人が、現地の暮らしや現地でしか体験できない食文化を求めています。
Photo Credit:gochi荘
Little Luxuries
小さい贅沢
英国での自然派ワインの売上は、過去18ヶ月間で30%以上増加しています。
Artisan Upgrades, 2020
人々はいま「小さな贅沢」を大切にしています。オンラインショッピングなどで嗜好品を買う習慣は、この辛い状況の中でちょっとした興奮と楽しみを与えてくれます。
Artisan Upgrades
英国での自然派ワインの売上は、過去18ヶ月間で30%以上増加しています。これは、人々が購入する製品に、より意味のある、より明確なものを求めていることの表れでしょう。Club Oranjは、自然派ワインの定期購入サービスで、毎月49名もの新規会員を募集し、ワインのように自然に成長していくような企業体になることを目指しています。
Photo Credit:Oranj, 2021
(Me)aningful Time
セルフケアの習慣は、古代の儀式の影響から新たな意味を持つようになっています。自分自身を大切にし、日常生活に意味を見出すために、特別なセルフケアの時間を設けえう人が増えています。Pinterestでは、「スピリチュアル・クレンジング・バス」の検索数が過去1年間で180%増加しています。
Photo Credit:Unsplash, 2021
Plant Parents
観葉植物は、大切な人と離れている間に、自分が世話をできる生き物への愛着を高めています。2015年に設立されたイギリスのオンライン植物店「Patch」は、ロックダウン中に500%の売上増を記録しました。
Photo Credit:Unsplash
Disruption of foundation
生活基盤の崩壊
環境破壊・公害・地価高騰・都市の生活破壊・働き口の減少
「 生活環境が破壊されていく 」
中国のライドシェア、Airbnb、Uberなどの個人のニーズに最適化されたサービスは、ユーザーにとって大きな恩恵をもたらした。しかし利便性と効率性を追求し、ユーザーの体験を第一優先とする設計思想は大きな利益を生み出す一方で、都市部の環境・景観汚染や地価の高騰を招く場合もある。サービスの提供側は、どのようにその事業の影響範囲を自覚し、どこまで責任を負うべきなのだろうか? また、私たち利用者はいかにして、日々の行動の選択が都市や環境全体に影響を及ぼすことを意識できるだろうか?
・Uberによる現地生活文化の破壊
・Airbnbによる地価高騰
・ライドシェアバイクの廃棄
Commodity Individual
個性が均質化していく
均質化・文化の衰退・コモディティ・コピー
「 個性が見出せない私たち 」
デジタル技術や通信インフラが劇的に進化した現在、多くの情報は平等に開かれ、世界中で価値共有のスピードは格段に向上した。しかし、これらはコピーと均質化を一気に加速させる事態にもつながっている。あらゆる知識やノウハウ、成功体験はすぐさまネット経由で拡散されるが、それらの情報をもとにテク開発されるテクノロジーは次々と産業構造を破壊し、異業種からの参入と競争が激化を導く。さらには商品間の差異がなくなり、コモディティ化に歯止めがかからない。私たちを取り巻く仕組みや制度までが模倣され、人もまたいつのまにか商品と同じように均質化していく。日本では大学を卒業した人の約8割以上はサラリーマンになると言われるが、日本の従来の教育現場では会社に雇われるために必要な能力に重点が置かれ、自分の力で稼ぎ生きていくために必要な能力を教える教育がほとんど行われていないため、同質で画一的な人材しか生まれない構造がある。
Losing Ownership
オーナーシップの低下
プラットフォーム依存・他律的環境、リアルの価値や倫理観、身体能力の低下
「 私たちは自身の自律性を失っている 」
ビックテックと呼ばれる大手IT企業のサービス群は、私たちの日常のあらゆる場所で横断的に関わり、生活を支えるプラットフォームの一部となっている。デジタルサービスの特徴は、ボタンひとつで簡単に生活のなかにインストールされ、いつでもどこでも利用可能なことだ。また、オンラインゲームをはじめとするエンターテイメントにもデジタル化が進み、私たちは心身ともにデジタルプラットフォームの恩恵にあずかっている。しかし、一度味わってしまった利便性や快楽は、気付けば底なし沼のようなデジタル依存に私たちを引き込み、自らの意思で新たな世界に触れるようとするような自律性を徐々に失ってしまっている。